猫によくある心臓病は何ですか？

猫の心臓病にはいくつかの一般的な種類があり、先天性（出生時から存在する）と後天性（後天的に発症する）に大別されます。

1. **肥大型心筋症（HCM）：** これは猫の心臓病の中で最も一般的なものです。HCMは心筋、特に左心室の肥厚を特徴とし、心臓が効率的に血液を送り出す能力を阻害します。重症の場合、HCMは心不全、動脈血栓塞栓症（血栓が剥がれて細い動脈を塞ぐ、重篤な病態）、そして突然死につながる可能性があります。

2. **拡張型心筋症（DCM）：** かつては猫によく見られる病気でしたが、栄養状態の改善（主な原因としてアミノ酸の欠乏が指摘されたため、市販のキャットフードにタウリンが添加されるなど）により、DCMは減少しました。DCMは、心室の拡張と心筋の弱化を特徴とし、血液を送り出す能力が低下します。

3. **拘束型心筋症（RCM）：** このタイプの心疾患では、心臓の壁が硬くなり、心室への血液の充満が妨げられます。HCMやDCMほど一般的ではありませんが、それでも非常に深刻な場合があります。

4. **先天性心疾患：** 出生時から存在し、心臓の様々な部位に影響を及ぼす可能性があります。猫によく見られる先天性疾患には、心室中隔欠損症（心室の間の壁に穴が開いている状態）や動脈管開存症（通常は出生後すぐに閉じる血管が開いたままの状態）などがあります。

5. **不整脈:** 心臓のリズムの異常です。心臓の一次的な問題として発生する場合もあれば、他の心臓疾患に続発して発生する場合もあります。

6. **フィラリア症：** フィラリア症は犬に多く見られますが、猫にも発症することがあります。心臓と肺動脈に寄生する寄生虫によって引き起こされます。

猫に心臓病の疑いがある場合は、できるだけ早く獣医師に相談することが重要です。症状には、呼吸の速さ、呼吸困難、失神、食欲不振、無気力などがあります。診断検査には、血液検査、X線検査、心電図検査、心エコー検査などがあります。